2010年11月10日水曜日

或る忠告―太宰治

 これは、ある詩人が著者に対して、一言物申しているところがその儘作品となっています。彼は一体著者のどのような姿勢が気に入らず、一言物申しているのでしょうか。
 この作品では、〈著者と作品との関係〉が描かれています。
 残念ながら、この作品で詩人が何故著者に物申しているのか、その理由までは深く言及されていません。ただ彼は著者の作品を読み著者の生活態度、心持を見抜き、家に訪れその怒りをぶつける事になったことは事実です。確かに詩人の言うとおり、作品にその人の人柄、心持というものはよく表れています。例えば、ごく小さいレベルのもので言えば、作家の気が抜けている場合、面倒くさくて見直しという作業を怠った結果、誤字脱字につながっていきます。
作品というものは当然著者のものの見方、考え方が大きく反映しますから、読者は作品を読んで彼らの心持を読み取り、目には見えない作家という像を自分の中でつくり上げているのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿