この作品の中で著者は、ものごとを創作する上で、「生きる事は、 芸術でありません。自然も、芸術でありません。さらに極言すれば、小説も芸術でありません。小説を芸術として考えようとしたところに、小説の堕落が胚胎していたという説を耳にした事がありますが、自分もそれを支持して居ります。」と芸術的という観念を嫌っている様子。それよりもむしろものごとに対して「正確を期する事」を重視することをすすめています。さて、彼は何故このように考えているのでしょう。
この作品では、〈芸術とは何か〉ということが描かれています。
ここでの著者の最大の主張は、芸術は芸術的であってはならないということ、正確を期することが重要だと述べています。つまりこれらのことを踏まえたものが、芸術であり、そうでないものが芸術ではないということになります。真理は一定の条件の中でのみ、心理であり、それを離れると誤謬になってしまいます。芸術的な表現を用いることを考え、正確さを失った作品は、既に芸術ではなかったのです。
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