2011年11月27日日曜日

お住の霊ー岡本綺堂

残念ながら、今回は作品の一般性を見つけることができませんでしたので、あらすじのみをアップしておきます。

麹町霞ヶ関に江原桂助という旗下が住んでおり、その妹は5年前、飯田町に邸
を構えている同じ旗下で何某隼人のところへ嫁入りし、子供まで出来て仲睦まじく暮らしていました。ですが、ある時突然そんな妹が夫と離縁してうちへ帰りたいと言ってきました。これには兄も納得がいかず、彼女を問い詰めました。すると、今から10日前の晩、何者かが「もしもし」と細い声で彼女を起こす声を耳にしました。そこで妹は枕をあげてみると、そこにはなんと、18程の歳の散し髪の顔色の悪い、頭から着物までびしょ濡れの娘が悲しそうにしょんぼりと座っているではありませんか。そして娘は枕元まで這ってきて、「どうぞお助け下さい、ご免なすッて下さい」と、泣きながら妹に訴えてきます。これには彼女も恐怖を覚え、思わず目を閉じますが、再び開くと娘はもうそこにはいません。また、それと同時に彼女の子供も、「アレ住が来た、怖いよゥ」と泣き出します。その日から、妹とその子供は、毎晩こうして、幽霊の住という娘に苦しめられることとなるのです。さて、一体この住という娘は何者で、何故毎晩彼女らの前に現れるのでしょうか。

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