※今回はあらすじのみの公開とさせて頂きます。
ロシア人である「おれ」は自国を離れベルリンに来ており、新しい襟を買ったことをきっかけに、古い襟をホテルの窓から捨ててしまいます。ですが街の掃除人の妻に拾われて、それをホテルの門番に届けられてしまいます。また門番は彼を公爵だと勘違いしているようでもありました。
しかし襟を捨てたい「おれ」としては、忘れ物として、わざと電車の中に置き忘れていきます。ですが、これも肥満の男が襟を持って走ってきて、丁寧に渡してくれたのです。また男は名刺を出して、彼に握手を求めていました。
こうして、「おれ」は幾度か襟を捨てることに挑戦しますが、何度もベルリンの人々に拾われる羽目になるのです。またその度に人々は彼の事を公爵だと勘違いしているようなのでした。そして襟を捨てられず気が動転した「おれ」は、電車から襟を持ってきてくれた肥満の男とばったり会った事をきっかけに彼をナイフで刺してしまいます。
こうして「おれ」は裁判にかけられたわけなのですが、彼が正直に自分の心情を話しても裁判官には伝わらず、「誰でも貴方の襟が落ちていたのであれば、拾うはずだ」と言われ、理解されるどころか裁判を嘲弄しているとみなされてしまいました。
そして「おれ」の死刑は確定したのです。死刑が決まった彼は、「おれはヨオロッパのために死ぬる。ヨオロッパの平和のために死ぬる。国家の行政のために死ぬる。文化のために死ぬる。」と言って、自らの死を受け入れていくのでした。
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