2015年2月12日木曜日

豚群ー黒島伝治(未完成)

 健二たちの村では、百姓が相場の高騰を理由に、作物を育てる代わりに豚を育てていました。というのも、豚を1匹売れば、一家1か月食いしのげる程のお金が手に入るのです。しかし村の地主は小作料の代わりに、そうした百姓達の生活を支える豚を差し押さえようという動きをみせます。そこで村の百姓たちは、地主が差し押さえに来た場合、豚達を外に放して誰が誰の豚なのか分からなくして混乱させようと決めていたのです。
 ところがある時、健二の家に百姓仲間の宇一がやってきて、役人が来ても豚を外に放してはならないといいます。この言葉に、健二は咄嗟に彼の裏切りを見抜くのでした。と言いますのも、宇一は立派な麦畑を持っており、他の家の豚が外に出て畑を荒らされる事を恐れていたのです。また、彼はいくらかのお金を誰彼に貸し付けており、小作料を少しとられたところで痛くもありません。そして宇一の裏切りに憤慨しながら、健二は約人が来た時には豚を外に逃す決意を固めていくのでした。ですが、こうした計画は数人が計画したところで意味がなく、一定数の百姓に協力してもらう必要があります。果たして健二は他の百姓たちと協力し、豚という自分の財産を守ることが出来るのでしょうか。

1 件のコメント:

  1. (文法とかの間違いがあると思いますが、すみません)やがて、役人は村に来て豚飼いの小屋に封印をつけて、百姓が勝手に豚を売買することを許さなかった。彼らと対抗するために、健二と留吉達が一斉に豚を外に追い出した。役人は外に追い出された豚を小屋に追い返すために、上着をとり、片手に棒を握って豚群れの中へ馳混んでいた。豚はうめき騒ぎながら、彼らが追い返そうと努めているとは反対に小屋から遠い野の方へ走っていく。すると、豚群れが麦畑にも入り、麦も荒らした。一日かかって役人が仕方なし、初めから豚を追い出さなかった二、三の小屋にのみ封印をつけて帰っていった。役人は豚を追い出さない人達を裏切り者と思わずに、普通の百姓と見えて故意に厳重に処置した。裏切り者の宇一は自分の豚をどうせ地主に取られると思って、家に飼っている豚にろくに世話もしなかった。返って、野に放した豚が今柵の中でおとなしく餌を食っている。

    返信削除