農夫である「甚兵衛」は、自身が不具者(かたわもの)であり、また足に障害を持っていた為に他の家族から人間として扱われておらず、他の兄弟よりも劣った生活を強いられていました。
不作が続いた年のある時、厳しい年貢の取り立てから人々は一揆を起こします。それは甚兵衛の家も巻き込み、家の中から一人、一揆の参加者を選出しなければならないと告げられます。そこで他の兄弟を守るため、継母である「おきん」は彼らの身代わりと言わんばかりに、甚兵衛を一揆に参加させることにしました。
しかしこの一揆の事情は急転し、甚兵衛が一揆に参加して10日後に終焉の兆しが挿し込みます。彼らに年貢の取り立てをしていたお上は、この度の一揆の出来事については、「松田八太夫」に石を投げた下手人を差し出すことで、帳消しにするというのです。これに対して、おのおので石を投げていた人々は動揺を隠せません。早速、仲間同士で小競り合いをはじめます。そんな中、甚兵衛だけが自分が石を投げたことを正直に話し、役人に引っ捕えられてしまいます。こうして、甚兵衛とその一家は磔にされ、村の尊い犠牲となってしまったのです。
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