2013年11月5日火曜日

ヘレン・ケラーはどう教育されたかー1887年3月13日(修正版2)

 前回のサリバンの思いきった舵取りは、どうやら順調に進んでいるようです。というのも、彼女たちはこの日と前日において、なんのいさかいも起こしていません。これはサリバンが力によってヘレンをうまく服従させていることと同時に、ヘレンが欲求を抑えはじめている事を意味します。
 また「つたみどりの家」に来て以来、彼女の内面にある小さくも大きな変化がある事も見逃してはなりません。ヘレンは、サリバンには分からない、いろいろな身振りをするようになっていったのです。サリバンはこれを、「つたみどりの家」のいろいろな人たちを表す動作なのだと推察していきます。
 恐らくサリバンに服従していく中で、彼女は有り余る体力を持て余していくようになっていったのでしょう。ですがこれまでの方法ではサリバンに強制的に止められてしまいます。そこで彼女は自然と、自分と同じ人間であろう人々の行動を、興味を抱きながら真似ていったのでしょう。(※ここで注意しなければならないのは、ヘレンは目的的に発散の仕方を学ぼうとしたのではなく、あくまで感性的に真似をしようとしただけなのだということです。)そしてサリバンはこれをヘレンに知性が宿る兆しとして見ている様子。その結果がどうなっていったのかについては、次の手紙で見ていきたいと思います。

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