◯あらすじ
ある時カプリ島の波打ち際にて、一人の若い兵卒と年老いた漁師が話をしていました。彼らはどうやら色恋について話しているようで、漁師曰く現在の若者は女性をもっと大切にしていたというのです。しかし、これには若い兵卒は今も昔も同じ事だと言い全く納得していない様子。そこで彼はSenzamani と云ふ一族の人々の例を持ちだして、いかに彼らが現在の若者よりも女性を大切にしていたのかを兵卒に聞かせはじめました。
一族の中のお金持ちであるカリアリスの息子、カルロネは貧乏な鍛冶屋の娘、ユリアに惚れていました。しかし様々な邪魔が入り、中々結婚までは至りませんでした。そこで、ユリアに好意をよせるもう一人の男、アリスチドはその隙を狙い彼女を奪おうとしました。彼は巧みに村の人々を騙し、あたかも自分がユリアと愛し合っているかのように思わせたのです。これにはユリアも憤慨し反論しましたが、アリスリドの話術の前では無力でした。そしてその事を聞いたカルロネは大勢の人の前で膝をつき、その後ユリアを左手で打ち、右の手でアリスチドの喉元を掴み怒りを露わにしました。
その後、カルロネはユリアの為にアリスチドを殺し、彼女を打った左手を切り落として、この事件を清算します。
◯ヒントと思われる箇所
「だがな、色事をするにしても、昔の人のしたやうな事が、お前方に出来るか、どうだか、それはちよいと分からないな。」
「ふん。今から百年立つて見たら、お前方のする事も馬鹿に見えるだらうて。それはお前方のやうな人達が此世界に生きてゐたと云ふことを、人が覚えてゐてくれた上の話だが。」
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