2013年12月24日火曜日

レポート;ヘレン・ケラーはどう教育されたかー1887年9月4日

 ヘレンも漸く、人の気持ちになって考えるということが分かりかけてきたようです。
 ある時、彼女は自身の叔父であるケラー博士から貰った手紙を赤ちゃんのミルドレッドにくしゃくしゃにされてしまいました。憤慨したヘレンは手紙を引ったくり、その小さな手をピシャリと叩いてしまったのです。そこでサリバンは彼女を落ち着かせて、何故怒ったのか、理由を探ろうとしました。彼女は予め、ミルドレッドに手紙は大切なものだということを(指文字で)念を押して伝えていたのにも拘わらず、くしゃくしゃにされたから手を叩いたのだと主張します。しかし、当然満足に歩くことも出来ない赤ちゃんが、ヘレンの指文字を理解できるはずもありません。サリバンは彼女にそのことを伝え、赤ちゃんには優しくしてあげなければならない事を教えてあげました。するとヘレンは、ミルドレッドに悪気がなかったこと、考える事が出来ない事をその立場に立ち、瞬時に理解したのです。彼女もまた、数カ月前まではミルドレッドと同じように、考える事ができず、善悪の判断がつなかった少女だったわけですから、赤ちゃんの気持ちになることは難しくはなかった事でしょう。
 ですから、彼女は自分の行いを反省した後、数カ月前、ものを片っ端から壊していた頃の自分を想起し、破っても良い手紙をミルドレッドの為につくってあげたのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿