2013年12月19日木曜日

レポート;ヘレン・ケラーははどう教育されたか1887年8月28日

 ヘレンはこの頃、性の誕生について、興味が尽きない様子。「生まれたばかりの仔犬」「生まれたばかりの子牛」「うまれたばかりの赤ちゃん」、それらがどこから来たのかについて知りたがっているのです。
 こうした質問を子どもたちにされた時、私達大人はとても動揺してしまいます。それは言い方ひとつでそれらの問題が軽々しく、卑猥なだけのものだと子供達思われてしまうことを懸念しているからに他なりません。ですがサリバンは、そうした問題に対して特別扱いし、コウノトリが赤ちゃんを運んでくるといった嘘、またそうした問題を扱うこと自体をタブーにするといった対処はとりませんでした。彼女曰く、子供達のそうした純粋な質問が彼らの口から発せられる事は当然の事なのだといいます。ですので、それをタブーにしたり嘘をついたりして、説明する責任から逃れる事は、子供を教育をするにあたって、やってはならぬことだと考えたことでしょう。
 そこでサリバンは性の誕生における男性と女性、雄と雌の役割を、植物の雄しべと雌しべの受精に例えてできるだけ優しい言葉を選んで説明しました。ただし人間においては、そこに「愛」というものが重要な働きをすることも付言しています。
 子供に説明できない問題を扱う場合、そうした質問をする子供に非があるわけではなく、それをうまく伝えられない教育者の側に責任があるのです。

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