これは著者がお金(きん)という女性から聞いた実話を、そのまま作品として描いています。
それは彼女が川桝(かわます)という料理屋で働いていた頃の話です。ある冬の夜、彼女の同僚であったお松は用をたしに便所へ向かおうとしていました。すると新参のお花という娘が、彼女と共に便所へ向かいたいと申し出てきました。実は、彼女はその時女中の間で噂になっていた、便所の近くの茶室まがいの四畳半の部屋に白い着物を着た人がいるという話を気にして、我慢していたのです。
こうして2人は真夜中に便所へ向かう事になったのですが、その途中、彼女たちは噂になっている部屋のあたりから、「ひゅうひゅう」という音を聞いてしまいます。さて、一体それはなんの音だったのでしょうか。
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