2011年8月10日水曜日

さるのこしかけー宮沢賢治

 楢夫は夕方、裏の大きな栗の木の下に行きました。その幹の、丁度楢夫の目位高い所に、白いきのこが三つできていました。彼はそれを「さるのこしかけ」と呼びその大きさから、そこに普段から座っている猿がどのようなものかを想像してしいました。すると、そこに三疋の小猿が現れ、「さるのこしかけ」へと座り、楢夫と話しはじめます。はじめは、この小猿たちは楢夫に対して高慢な態度をとっていましたが、何故かその態度を改め、「楢夫さん。いや、どうか怒らないで下さい。私はいい所へお連れしようと思って、あなたのお年までお尋ねしたのです。どうです。おいでになりませんか。いやになったらすぐお帰りになったらいいでしょう。」と、彼をある場所へと案内しようとします。果たして彼らは楢夫を何処へ連れていき、何をしようとしているのでしょうか。
この作品では、〈相手の力量を目に見えるもので測ってしまった、ある少年〉が描かれています。
まずこの後楢夫と小猿が向かった先は、種山ヶ原という場所でした。そこに着いた楢夫ははじめ「とんでもない処へ来たな。すぐうちへ帰れるかい。」と考えていましたが、猿たちの軍隊の演習がはじまるとこれが面白くて、暫く見学していました。ですが、突然この小猿の軍隊は彼に襲いかかり、小さな編みでぐるぐる巻きにされ、林よりも高い場所から落とされてしまうのです。では、彼は何故このような酷い目にあってしまったのでしょうか。
そもそも楢夫はこの小猿達について、その小さい身なりから、「いくら小猿の大将が威張ったって、僕のにぎりこぶしの位もないのだ。どんな顔をしているか、一ぺん見てやりたいもんだ。」と自分より実力が下の存在だと考えていました。しかしその小さな猿達によって、彼は騙されて彼以上に大きな力によって翻弄されて閉まったのです。まさに彼は、猿の力量を見誤った為に、このような酷い目にあってしまったのです。

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