ヘレンはなんと自ら、「私」、「貴方」といったような代名詞を使いはじめるようになっていきました。これは彼女が、自分や周りの人々を、ある程度客観視しはじめてきているという傾向を示します。
「ヘレン」や「サリバン」といった固有名詞は、特定の人物、たったひとりを指す普遍的な言葉ですが、「私」、「僕」といった代名詞は誰が話しているのかでその人物が変わりますし、「貴方」、「彼」などもまた、誰に話しかけているのかで変わってくるものです。ですから代名詞を使うということは、自分と相手、またはその人々の立場関係をある程度把握していなければなりません。
つまりヘレンも、自分や周りの人々の立ち位置、関係を把握できるようになってきつつある、ということが言えるでしょう。
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